受け取るもの 鹿島様 藁の準備

10月半ば。稲刈りも終盤、冷え込む日も増えた。
黄金色だった田んぼは少しずつ彩度を落として、枯れ色に変わっていく。

今日は田んぼに集まって、脱穀の作業。

通常はコンバインという大きい機械で刈り取り、脱穀の作業を一貫して行う。コンバインに吸い込まれた稲穂は、茎 即ち藁の部分は細断されて、肥やしになる。
脱穀された籾(もみ)は一旦貯蔵庫で乾燥され、ある程度の水分量に調整された後に籾摺りされ、玄米に。

今回はお邪魔した田んぼは、手刈り。10月頭に手刈りされた束は杭に結わえられて、半月ほど自然乾燥されて、今日を迎えた。
この稲は、湯沢の道祖神である 鹿島様の材料の藁として使われる稲。コンバインでは細断されてしまうし、稲の状態である程度水分量を減らす必要があるため、昔から変わらない手順で作業が続けられている。

コンバインに手差しで稲を入れていく。藁を細断するための機構を取り外してあって、脱穀された藁はそのままの長さを保ったまま。きれいな藁が、馬の尾のように見える。

脱穀された藁が、山積みになっていく。
お父さんたちが、すごい手際で結わえていく。
ビニール紐じゃなくて、藁を真ん中で継いだ、1メートルほどの手作りの簡易藁紐。
ほいっと投げたってびくともしない程、しっかりと結われている。

上の写真で空を飛んでいるのが大体、一束(いっそく)と呼ばれる藁の量。
かつて皆が手刈りしていた頃は、各家から二束ずつ、鹿島様に使うための藁が納められていた。
機械化が始まってすぐは、バインダー(稲刈り機)とハーベスター(脱穀機)と二段階で別れていたため まだ藁が取れた。
コンバイン(稲刈り・脱穀・細断機)が主流になってからは、藁が残らなくなってしまった。コンバインが一般的に普及してきたのはここ20年くらいだと言っていた。

藁。かつてはわらじを作ったり蓑(みの)を作ったり、生活には必須の素材であった。今は、少なくとも米が育った田んぼに戻されて肥料にはなっているものの、それ以外に特段役割がある訳ではないのが実情。
田。高齢の農家の方が増える中、コンバインなどの機械は高性能化に伴って金額が上がっていて、委託で他に体力のある農家さんに委託したり、農業法人に委託したりする”地主化”が進んでいる。田んぼに出る人は年々減り続けていて、ゆっくりではあるが高効率化が起きている様。
米。減反政策は2018年に終わりを迎えたものの、食用のお米は未だ生産量に余剰があるので、飼料用の米を育てる農家に助成金が支給される。国際情勢を受けて国外産の飼料の値段が上がり続けている中で重宝されるかもしれないけど、米飼料が安くなる訳ではない。

いろんな場所で、それぞれのバランスがすごいスピードで変わり始めた。
この景色はいつまで続くだろうか。