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22年4月17日、岩崎で道祖神として祀られている鹿島様の衣替え、衣装交換があるということで、岩崎を訪れた。
今年は例年よりもあたたかい日が多くて、4月の半のしては大きく膨れ上がった桜のつぼみが樹の上に鮮やかに輝いていた。
鹿島様は、知る人ぞ知る道祖神の一種。秋田県内では数か所で、藁製の類似した道祖神が祀られる地域が見られる。湯沢のそれは鹿島様という名前の通り、茨城県の鹿島市の辺りにルーツを持っているとされている。
岩崎の北部、千歳公園は水神社の裏側に二体と、南部、かしま館前の跨線橋のたもとに一体、集落に疫病や悪霊が入るのを拒む神の姿として、立派に立っている。
水神社うらの男神様と、かしま館前の男神様は、毎年衣替え。
水神社うらで屋根に入っている女神様は、二年に一回の衣替え。今年はお休みだった。
作業は8時頃から始まり、お昼頃には終わった。
一年間、雨風、そして人の背丈にも迫る高さまで降り積もる雪を耐え忍んだ鹿島様は、町の人の手によって分解され、また手際よく組み付けられていく。
熟練の手付きの人もいれば、今年初めて手伝ったという方まで、それぞれが手を動かしていた。
コロナが始まる直前には、なかなかな数の見物客が訪れたらしく、手を動かしている人間よりも見物客のほうが多かったそう。依然コロナ禍中のいまは幸か不幸か、昔のような数に戻ったそうだ。
鹿島様を作るための藁は、コンバインを使用した稲刈りでは確保できず、またうるち米の稲では長さなどの条件が揃わないことから、酒米を手刈りしたものを使っているという。
昨秋お話を聞かせていただいた佐治右衛門農園のサイトウさんの田んぼからほど近いところで、稲架掛け(はさがけ)されていた。
道祖神というからには勿論厄除け的な想いもあるのだろうけど、立派で美味しい稲への誇りなのか、五穀豊穣の祈りなのか、いろんな想いが紡ぎ込まれてきたのかなぁなんて想像した。
役目を終えた藁は火に焚べられ、蒼白い煙にと姿を変えて、天に登った。
町の人の手で結われた衣は、春の光の中に立派に鹿島様を包んだ。
勇ましい顔の鹿島様は、なんだか楽しそうに作業をするお父さん達に囲まれて、一層誇らしげに見えた。