常磐饅頭 岩崎 手土産のスタンダード

2月半ば、すこし寒さの緩んだ頃。
岩崎の真ん中あたりにある常磐饅頭さんを訪れた。

常磐饅頭さんは、名前の通り おまんじゅう屋さん。
おまんじゅうの中でもいわゆる黒糖まんじゅう。しっとりふわふわなおまんじゅう。
なんと商品はひと種類。黒糖まんじゅう。こし餡ぎっしりなおまんじゅう。

このお店は、今の店主であるお母さんが三代目。その前はお母さんのお母さん、その前はお母さんのお祖母さんが店を切り盛りしてきたという。
おまんじゅうの作り方は創業の頃からこれっぽっちも変わらず、材料もそのまま。添加物や化学調味料とは無縁の、素朴でどっしりとしたおまんじゅう。
棚から出してもらった饅頭を手に取るとまだほんわり温かい。ずっとずっと、お母さんの味。

常磐饅頭さんが位置するのは、岩崎地域の北部、道路が大きく折れ曲がったところ。
大昔、藩ごとの争いなどがあった時に、すぐ近くを流れる皆瀬川から集落内に敵兵が流れ込むのを防ぐ役割を意識してたんだろうか。秋田県内の小さな集落に入るとよく見かける道路の作り方。車で通る際は見通しが悪いので気をつけて。

今でこそ甘い物は少し敬遠される風潮があるけれど、引き出物として またお土産として、昔から重宝されてきたそう。昔からのお客さんは20個も30個も買っていくんだって。
この辺に暮らす人からすると、おまんじゅうと言ったら必ず常磐饅頭。美味しいモノは、地域の誇り。
真夏と真冬はお客さんが少ないのはここも同じ。でもお茶時にお邪魔したらほとんど売り切れてた。忙しい時期は本当に忙しいみたい。

2月の真ん中にこんなにいいお天気の日が続くのはなんだか変な感じで、本当にもう春がきたんじゃないかと錯覚してしまう。
みんな雪解けが待ち遠しい。